おはこんにちばんは、レギオンです。
FXで稼ぐトレーダーの話を聞くと、自然に誰もが「勝率」について知りたくなってしまうものです。
「この人は勝率が良いから、トレードもトータル勝ち越してるんだぁ」
「真似して80~90%の手法を作って勝てれば、FXでウハウハやん」
そう考えるのも無理ありませんが、あまりに「勝つために必要なもの」という認識が強く根付いてしまい本質から大きく遠ざかってしまっている。
その考えでFXを奥深くまで進むと、自分がいざ手法を構築する際に訳が分からなくなり、最終的に樹海で一生を費やす可能性すら出てくる。
勝率を上げようと「こだわり過ぎている方」は、早期に思考を変えていく必要があるし、そこまで思っているほど関係ないです。
今回は、勝率が手法に及ぼすメカニズムを説明すると共に、他に優先的に取り組む事があるのをご理解いただければ幸いです。
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FXで勝率は関係ない!まずは正しい認識を身につける

メディアや書籍でよく目にする勝率という言葉ですが、これを聞くと多くの方は
「勝率=高ければ最強」のようなイメージを持つ。
確かに、勝率は高ければそれに越した事はありません。
しかし、世間一般に考えられる勝率とFXにおける勝率は、仮にパーセンテージが同じであったとしても、その内容が意味するものは根本的に大きく異なります。
すべての勝率を同じ意味で考えると、今後の手法を構築していく上で苦労するのは間違いないため、必ず意味の違いについて理解するようしてください。
世間一般的な勝率の考え方【数字が高い=優秀】
例えば、スポーツ競技でテニスを例にとって考えてみましょう。
テニスは、各大会ごとの順位で貰えるポイントに大きな差はありますが、初戦であろうが準決勝であろうが、1勝すれば1勝、負ければ1敗とカウントされ、それが最終的に何勝何敗とトータルで計算される。
新米プレーヤーに勝とうがフェデラーに勝とうが、カウントされる数字は「1」。
その勝敗は本人にとって重たくとも、数字で見れば単なる「1勝 or 1敗」に過ぎません。
だから勝率で「強い選手に勝ったから1勝 ⇒ 3勝分の価値にアップ」なんて計算式はないため、その数値が示すデータは正確なんです。
また、テニスは勝てば勝つほどシード参加となるため、そこまで弱小プレーヤーに多くあたる事も減るため、仮に100戦して90勝なんてしていた場合、
その勝率90%という数値は、必然的に「プレーヤーの強さ」を含んだ数値となる。
つまり、一般的な勝率という意味は
数値が高ければ高くなるほど強い・上手い、成績・結果が優秀
このように捉えても、概ね差し支えないと思う。
FXにおける勝率の考え方【高い ≒ 稼いでる】
FXの勝率は、数値が高ければ稼いでるという意味でなく、
その中の内容を加味した上で、総合的にトレーダーとしての優劣が決められます。
例えば1回目のトレードが「-10pips」で、2回目のトレードが「+50pips」としましょう。勝敗でいえば、1勝1敗の勝率50%で獲得pipsは+40pips。
この場合は、内容を見ても「プラス域の成績」だから問題ありませんが、下記の場合はいかがでしょうか?
・1回目 +20pips
・2回目 -100pips
この場合は、勝率が同じ50%でも「-80pips」と意味する内容は別モノで、明らかに2回目の成績が大きく偏っています。
これだと勝率がいかに良くても、痛恨の一撃を食らってしまえば何の意味もありません。
FXにおける勝率の仕組み

故に、勝率だけの数値にこだわるのは非常にリスキー。
勝率がどれだけ恐ろしく高くても、それが関係ない程「たった一発」で破滅するトレーダーが、世間では平気で続出します。こういったパターンは、コツコツドカンの典型例とも言えるでしょう。
勝率を伸ばしつつ、手法を構築する過程に無理がある
そもそも、チャートをまともに見たことない人が、書籍やブログの影響で「勝率重視」の手法を考えていくことに無理があります。
・リスクリワードを1:3で組めば負ける事はない!
・テクニカルを駆使して勝率90%は余裕
・商材のシグナル配信で勝率を上げていくetc…
大体が初っ端の場合、上記のように考えたり行動しがちですが、チャートの特徴や動きのパターンすら抑えてもないのに、勝率だけに目がいってしまうのは危険極まりない。
勝率80%ぐらいを目標にする! ⇒ チャートを見て手法を作っていく
このプロセスは一見正しいように見えて、実は「極めて無謀に近い」のが分かるでしょうか?
勝率80%を意識してチャートを見たとしても、その確率で動くチャートパターンを見つけるのは困難。
そして最終的には、自分の都合よく動いたチャートだけをピックアップし、手法作りに励むことになるからです。
つまり、純粋にチャートの動きや傾向等を見ていくことが出来ません。
単純に手法っぽいものが出来ただけであって、中身は優位性もへったくれもない「スカスカなもの」が完成したに過ぎません。
それで勝率80%で月に○○万稼げるんなら、誰だって稼げるでしょ?
でも殆どの人が稼げないって事は、そのやり方では手法を構築していくのが非常に難しいということ。だから、勝率重視で手法を作っていく考え方自体に限界があるんです。
勝率を上げるにしても、結局は優位性がないと意味なし
先ほどでも書いた通り、手法には勝率よりも重要な「優位性」の概念があります。
これは、自分の手法が相場で「他者よりも稼ぐ可能性が高い」って意味ですが、
「勝率が高い=優位性」が存在する訳ではありません。
優位性は、エントリーの仕方や損切り・利食い・トレードの考え方など、総合的な見地から導き出されるものであって、
必ず勝率が関係することはないし、むしろ勝率は「後付け」がほとんどです。
だから、月単位で利益を出しているトレーダーで勝率25~50%ぐらいはザラにいますし、僕自身も勝率は25~40%の間をウロウロしてる。
それでも、十分に優位性があれば生き残れるのがFXで、決して勝率を意識して取り組んだからではありません。
逆に僕の知っているトレーダーで、フィボの数値をオリジナルに設定して高い勝率を実現し、それ自体に優位性を持たせてしまう人もいますが、
それは「結果的」に勝率が非常に高くなっただけで、初めはテクニカルをメチャクチャ研究したと言ってました。
最終的に、優位性ある手法を微調整して勝率上げるならまだしも、勝率を前提としたチャート分析や検証を、そのまま手法の優位性へ直結させる事は難しい。
なので、読者にはまずチャートを純粋に見ていくことをオススメしたいし、それが優位性の構築へ繋がるとも断言できます。
勝率は、優位性が出てきてからの話で問題ありません。
pipsが獲れていれば、勝率が低くても適切なトレードと言える
ここまでの話で、
FXが勝率ではなく「優位性」を根本とし、それが結果としてプラスになっているか否か
この考え方が求められる事について、よく分かったと思います。
仮に勝率が低かったとしても、獲得pipsが合計で100pips・200pipsと獲れていれば、その手法は勝率が低くても優位性ある稼げる手法だと表現できる。
つまり、勝率がそこそこ良くてpips的にも獲れているのであれば、非常に優秀だということ。
FXを長期的に行っていくのであれば、ここを重視しなければいけません。
最終的に勝率UPを狙っていきたいのであれば、チャートを見るのに時間を費やしたりしなければダメです。
まずは優位性をジックリと形成していくことが、FXでは何よりも大切である点を理解してください。
FXで勝率を無理して上げると「ハイリスク」な3つの理由

多くのトレーダーは
「勝率なんて検証すれば簡単に上げれるんちゃうの?」
このように思ったり考えたりしている方が多い。ですが、それは優位性のある手法を構築する際に、樹海へと招かれない発想です。
勝率を変えることは、優位性の根幹を変える事にも繋がってしまうから。
・いつもより多めにエントリーして、チャンスを拾える数を稼ぐ
・狙いを絞りに絞って、少ない母数で勝率を大きく上げるetc…
仮に手法の勝率を上げるために上記施策を試したとしても、最悪は手法構築自体がボロボロとなり、ドツボに嵌りかねません。
下記でそれらの状況をご紹介します。
強引なエントリーになり、せっかくの優位性が失われる
いつもより多めにエントリーして、チャンスを拾える数を稼ぐ
自分ではチャンスだと思い、ガンガン攻めてエントリーすることで数を稼ぎ、勝率に貢献させようとトレードされる方がいますが、
そういう時は、殆どが優位性のない状況下でエントリーをしている可能性が高い。
波が長期的に出ているチャートならまだしも、そのような特殊状況はなかなか訪れないし、また狙って初動から獲れるものでもありません。
故に数打って勝率を稼ぐのは、せっかくの手法における優位性を自ら低下させるようなもの。
しかも、優位性自体が疑わしい手法でゴリゴリとエントリーしてるなら、勝率を上げるどころか、それは死活問題となります。
とてもじゃないけど、それは正常な状態でトレード出来てるとは言えないでしょう。
勝率にこだわった結果、pipsを獲得できるチャンスを失う
狙いを絞りに絞って、少ない母数で勝率を大きく上げる
この方法はチャンスがきた際に絞ってエントリーするから、逆に勝率が向上するようにも思えますが、通常のトレードより絞るって事は
「いつものトレードを大きく崩す」って意味にもなります。
例えばチャンスが5回あったのを、更にそこから2回までに絞った場合、確かに1勝1敗になったりで獲得pipsもプラスになるかもしれません。
ですが、それは言い換えると「残り3回のチャンスを放棄する」って意味になる。
月単位でチャンスはそう何回も訪れるものじゃないし、逆に絞った2回のチャンスで大きく獲れる保証もありません。
場合によっては、勝率を上げる代償に「手法の期待値」を著しく下げるトレードになりかねないって事。
狙いを絞るのも分かりますが、それによって獲得pipsの範囲が狭くなってしまうのは、皮肉としか表現のしようがありません。
最悪はトレードで腰が引けてしまう事に繋がるため、過度にピンポイントで狙っていくのは控えましょう。
FXの勝率は、手法の中身によって大きく変わる
世間では「勝率は40~50%以上がいい」とか色々な憶測が広まってるけど、何を根拠に述べているのか、僕にとっては意味が分かりません。
全ては、手法の中身によって全部変わります。
・その人のトレードスタイル
・損切りはどうするのか?
・利食いはどう決めるのか?etc…
そういった細かい条件やルールを、全て理解した上で最適な勝率は算出される。
ちなみに僕でいうと、トレード総括で勝率を参考に書いてはいますが、
基本的に、勝率向上を意識してトレードした事がありません
何故なら、月のどこかで一撃大きいのを獲れればいい感覚でトレードしているし、噛み合わない時は「ちょいプラ・ちょいマイナス」で耐えるぐらいしか考えてないから。
勝率が25%・30%レベルでも月単位で勝ててるし、トレードが安定し、数年たった今でも考え方は変わらない。
だから、世間の言い分など間に受けてはいけません。
【勝率は関係なし】FXではトータルでプラスを追求する

どうしても勝率を重視したい方は、下記内容を見て「簡単にはいかない」ってことを再認識しましょう。
1.勝率は手法・ルールによって変わってくる
2.損切り幅を変更した際にも大きく変わる
3.利食いのルールによっても変動する
だから、まずは自分の手法をしっかり精査し、あらゆるパターンを考え統計を取る。それでも必要な勝率が維持できていない場合は、手法自体の発想を「逆」にしてみる。
勝率が悪いからといって、単純にそのまま手法をポイと捨てるのは勿体無い。
「勝率が悪い」という発想を逆にしたらどうなるか?
ここに活路があります。そしてここまでの発想までたどり着き、大衆の逆という真の意味が分かってくれば、
勝率はただ手法上で算出される「値」であって、実際はそれほど重要なものではないし、収支に関係もありません。
このように頭が認識を始めます。
優位性のある手法が出来た後は、それに沿って同じ事を繰り返すだけなので、
勝率が一時的に低かろうが高かろうが、関係ありません。
だから勝率を意識して手法を作るよりも、
まずは優位性のある手法を構築する。勝率うんぬんはそれから
このように進んで行く過程をオススメします。
トレーダーとしての進捗度を遅らせないためにも、まずは自分で確実かつ着実に、少しづつ出来ることから始めていきましょう。
そうすれば自ずと勝率なんて気にしなくなるし、勝率よりも大事なもの(ポジション管理・メンタル等)がある事に気づくハズ。
そうやって、トレードスキルは形成されます。
今回の記事を通して、少しでも多くの方に「勝率」ではなく「優位性の探索」を始めてもらえれば幸いです。
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