
おはこんにちばんは、レギオンです。
検証って言葉は、他ブログ・Youtube動画を観ていれば嫌でも見かけるテーマですが、人によって大きく意味合いが違うし重視する度合いも大きく異なります。
また、中には検証自体を全く行ってないトレーダーも数多くいます。
・検証ってそもそも何なん?
・検証をどのように扱えばいいか分からない
・普段チャートを見る事が検証じゃないの?
このように感じると思うし、言葉自体の意味もかなり曖昧な存在となっている気がします。
しかし、検証プロセスは「優位性のある手法」を確立するのに絶対に必要な作業であり、検証なしで長期的に生き残る所業は「100%」に近い確率でムリ。
それだけ検証作業は重要な位置を占めるんです。
今回の記事は、検証の基礎的な意味と始める際の注意点を書きます。「統計」の意味に関しても併せて知っていただければ幸いです。
目次
FXの検証方法に関する基礎を理解する

検証(けんしょう)とは事実を確かめることである。~ウィキペディアより引用~
ウィキペディアでは上記のように定義付けされてましたが、FXでは事実より「証明する作業」と認識した方がいいかもしれません。
FXの検証とは、優位性の可能性がある手法(仮説)を1つ1つのチャート(サンプル)と照らし合わせて確認(検証)し、統計的に優位性があると証明すること。
要するに検証とは、稼げる手法か否かを確かめる「膨大な作業」と単純に考えればOK。
まずは基、礎的な流れをFX初心者でも理解しやすいように「男性的な例え」で書きます。
アンケート結果でイメージする

何で深田恭子が検証方法の説明で必要かというと、このブログを書いている人が単純に例えを決める際に思いついただけです(だってめっちゃ綺麗やん笑)
例えば、日本男性の80%が深田恭子を見て
・綺麗、可愛い
上記の統計結果があると考えて下さい。
しかし自分が綺麗だと考えていても、全国で80%の男性が同じ意見を言うかどうかは証拠がある訳もなく、数字的に不明だと仮定します。
そこである男性が本当に全国80%の数値があるか証明するため、まずは自分の友達1人1人に深田恭子が綺麗・可愛いかについて話を聞くことにしました。
この1人1人の意見が、検証でいうところの「サンプル数」となります(Ex.10人に聞いた = チャート10日分)
ですが、周りの友達に聞いて「30%」しかない偏った集計になったとします。この時点では「全国で80%の男性が綺麗と言ったのは何?結局は嘘っぱちだったの?」って考えがよぎりますが、
「周りに聞いてダメなら、その辺の道歩いてる男性にアンケートをとろう!」
このように閃いた彼は、今度は路上でランダムに聞いて回ることにしました。
つまり、全国的な数値80%と結果30%では「数値的乖離」が著しいため、サンプル数を増やす事でアンケート結果の収束を促そうとした訳です。
母体数を増やせば「確率」は自ずと収束する
頑張って集計をしましたが、それでもトータルで綺麗・可愛いの意見が「50%」しか及びません。
すると、更にサンプル数の視野を広げるため「○○区の男性に聞いて回れろう」と、更に聞いて回る範囲を広くしたのです。
集計すると○○区の男性は「65%」という数値が出た。でも誤差がまだ15%近くあるため、更に次は○○区のある「市」を全て集計する行動にでました。
すると○○市の統計が「75%」の数字になったんですが、それでも疑わしいと感じた彼は「○○県全体に聞いて回ろう!」と暴挙に出てアンケートを取り出したんです。
そして最終的には、○○県の男性全てに「あなたは深田恭子が綺麗・可愛いと思いますか?」と集計を取り終え(現実的には不可能ですが)、この時の結果が最終的に約78%と出ました。
するとどうでしょうか?
初めこそサンプル数が少ないために、数値の乖離はどうしてもありました。
しかし、検証の範囲を広げていく度に「50 ⇒ 65 ⇒ 75 ⇒ 78」%と全国80%の数値に近くなり、非常に精度の高い統計となったのが分かります。
アンケートで得られた結果の分析

上記がこれまでのアンケート結果をまとめた図となっています。
開始時は検証地域が狭く、サンプル数(アンケートをとった人数)が少ないために結果が偏ってもいましたが、徐々にエリアを拡大(区 ⇒ 市 ⇒ 県)することで統計的にも全国的な結果へ収束しました。
ここまで統計を取れれば、「深田恭子を多くの男は綺麗やと思っとる!」と全国80%という数字のウラが取れたため、本人的にも納得(しょーもない自己満足)して終われる。
つまり検証に検証を重ねた結果、統計的に深田恭子を全国男性の10人中約8人は「綺麗・可愛い」と答える、精度の高い結果(統計的な証明)が得られたって事です。
これがFXだと、上記の1つ1つ行ったアンケート作業が「検証で」チャートを1枚1枚見ていく作業。
○○県で78%になったという結果が「統計」で、チャートを何千枚も見て「月○○pips」の期待値がある事を表す言葉として使われます。
例えは完全に個人的主観となりましたが、この一連の流れが「検証 ⇒ 統計」の基本的なイメージと思っていただいて構いません。
FXの検証方法に関する基礎的な考え方【中間まとめ】

ここまでの検証に関する話で、読者に理解してほしい基礎的かつ重要なポイントをザッとおさらいしましょう。
数字が苦手な方には苦痛かもしれませんが、
確率論・統計的な考えは、FXに取り組む上で必ず考慮しないとダメな項目ばかり
なので、徐々に把握していってもらえればと思います。
サンプル数が少ないと「信憑性」に欠ける
深田恭子という女優は日本全国の男性が知っているため、その数は最低でも1千万人は超えるでしょう。
それに対して、周りの友達や周囲の人に聞いただけでは数人~数百人レベルとなり、仮に全体数が1千万人とすれば1%を大きく下回るサンプル数となる。
これでは、全国レベルの結果に近い確信を得る事は出来ません。
サンプル数が少ないと時間や手間は減りますが、その分データの信用性に関して疑問視されるんです。
仮にこれがFXだった場合、優位性のある手法を「自分なり」に作成し、検証する範囲を2019年1月ドル円だけに絞って行ったらどうでしょうか?
20枚程度の枚数を検証して期待値が300pips獲れたとしても、その結果を簡単に信用する事は難しい。
ですので、FXの検証方法としては「最低でも年単位の過去チャート分析」が必要となってくるんです。
企業だってテストを何十万回と繰り返して商品の品質担保に奔走している時代なのに、個人がほんの少しだけというのは雑に聞こえませんか?
サンプル数が多いほど「期待値」は一定に収束する
例えばサイコロの目で1~6のうち何が出るかは基本的に1/6の確率ですが、10回100回ならその時の出目が大きく偏ったりする可能性がある。
しかし、それを千回・一万回と投げ続ければ「限りなく1/6に近い確率」へ収束します。
先ほどの検証方法では、スタート時が友達や周囲の人と少ないサンプル数だったので、全国的な80%の数値に対して大きな誤差が生じた。
しかし、それを「区」⇒「市」⇒「県」と大きな母体数でサンプリングをした結果、全国80%という確率に限りなく近い値を得る事ができました。
つまりサンプル数が多いほど誤差が小さくなり、多ければ多いほど「精度の高い統計結果」が得られます。
FXだと過去チャートの検証で先ほど書いた2014年1月ドル円だけでなく、2014・15年と大きな単位で検証して1000枚2000枚のチャート枚数から「月単位の期待値」を求めるといった具合です。
そういった膨大なサンプル数(チャート)からデータを収集する事によって、
自分の手法にどれだけの優位性があるかを「数字で確信に近いレベル」で証明する事ができる。
また、自分自身がトレーダーとして生きていく上での自信にも繋がるんです。
FXの検証方法で絶対に間違えてはダメな注意点

ここまでの内容で、検証に関する大体の意味は掴めたと思います。ただ注意してほしいのは、
・チャートを検証する
・統計を取る
・チャートを研究・分析する
これらは各々が同じ意味を持っているようで、実は全く違う別物です。
勉強するプロセスに大きく関わる内容だし、また解釈を誤って使用してるFXブログ・Youtube動画も多いため、これから勉強を始める方は特に正しい認識を持つ必要がある。
以降では検証を軸にして、各々を比較しながら理解を深めていただこうと思います。
チャートの「分析・研究」は全くの別モノ!
FX関連のSNSを見ていると、
・今日は検証します!
・休みだから分析を頑張ります!
こういった記述を見かけますが、この2つは書かれている意味が全く違いますし、前提条件も大きく異なっている点に注目しなければいけません。
チャートを「研究・分析」する事は、何もない状態からチャートを見て「自分なりの気づきや傾向・特徴」を得ていく事を指します。
・このまま綺麗に伸びていったら、トレンドはロングに変わるのだろうか?
・書籍に載ってる形が出てきた!これの前後関係はどのように動いてる?
・指標後に大きく伸びたら、そのまま流れがその方向になりやすいかも!etc…
つまり「0から1や2を作っていく作業」が分析及び研究であって、勉強を始めた初期段階から行う内容を表す。
企業が新製品を作る際、0から1を生み出す研究を施設で行ってるのと理屈は同じですから、勉強でチャートを見るのは「研究・分析」に近い行動だと言える。
これに対して検証は、
・既にチャート分析及び研究を行った状況
・かつ手法に優位性を備えた確率が高い状態
上記を前提として取り組む作業を意味するため、立っている状況が全くとして違う。
時系列だと「研究・分析 ⇒ 検証 ⇒ 統計」の順になります。
故にチャートを見始めたばかりの方が「検証する!」ではなく、チャートを研究又は分析していこう!と勉強を進めていくプロセスが正解。
優位性がない状態で検証したところで、何の意味もないです。
だから、教科書に載っている形・動きを検証してショートカットする行動は、何もチャートを1から勉強していない人にとっては「樹海への特急券」になりかねません。
何も分からない状態からチャートを見るからこそ、枚数を何枚も繰り返すことで理解が深まるんです。
まずはチャートをひたすら研究し、手法が確信に近い段階まで構築できたら検証へ進む手順でいきましょう。
関連記事はこちら
FXでチャートを見ることに特化すれば「100%」力が伸びます
統計との相互関係を理解して取り組むこと
FXの記事で「統計を取らないとダメ」だったり「検証を繰り返して」と書かれているのを見ますが、これらは一緒のようで微妙にニュアンスが違う。
端的に言うと、統計は「膨大な検証」を行った結果の集合体です。
例えば、「統計を取ってください」という言葉には「検証をたくさんしてください!」という意味が潜在的に含まれており、あくまでも検証は1回1回の作業(サンプリング)の単位に過ぎません。
つまり、検証を何回も積み重ねて1000回・2000回と膨大な数になった時点で、初めて「統計的に・統計を取った」といった言葉に置き換えることができます。
数回・数十回単位では統計と呼べません。
そもそも、検証する数の母体数が小さいので「結果の信頼性・正確性」が担保されにくいからです。
なので、統計を取る際に少ない数を検証しても効果はそこまで望めません。
最低でも1000枚ぐらいのチャートを1枚1枚丁寧に検証していき、自分の手法に対する優位性を「数字」で証明していって下さい。
更に期待値や統計についてまとめた記事もありますので、そちらもご覧になればより理解が深まると思います。
関連記事はこちら
【補足】質が悪いと期待値が大きく乖離する
ここまで見た方は
検証で多くのチャートを見ればいい!
FT3をガンガン回して検証10年分してやるぜ!
このように意気込んで始めるかもしれませんが、「チャートの数をこなす = 検証を正しく行う」と、絶対にイコールで結びつくとは限りません。
チャートを1000枚・2000枚と検証しても、その過程(内容の質)が悪いと「統計の結果」が実際の数値(期待値)と大きく乖離するからです。
例えば、過去チャートの検証時にルールが曖昧に設定されている場所があるとします。
仮にその状況が月に3~5回ほど訪れるとしたら、1通貨ならまだしも3通貨を3年分するとなったらどうでしょうか?
計算すると、3年もの間に平均400回程を「曖昧なルールで判断する局面」がやってくる事になります。
それが全てパーフェクトに捌ければ大したものですが、必ず何処かで「自分本位な決定」を下すのが人間というもの。
これだけ膨大な数を、毎回同じように判断するのは現行上のルールだと無理があり、かなりの確率で望むような結果にはなりません。
つまり、信頼度の低い検証方法となってしまう可能性が高いんです。
ですので、検証する前の事前ルールに信頼度(あらゆる状況下における対応策)が備わっていなければ、正しい検証の仕方で手法の優位性を求めるのは難しいと言える。
ある日のチャート × 信頼度(ルールの精密さ・優位性等)× 検証数 = 手法の持つ期待値
これぐらい検証はシビアに実践に近い状況下で行わないと、何の意味もありません。
現実にトレードをする際は「最前線」で戦うわけですから、1つの判断が命取りになる可能性だって十分にある。
故に検証を行う際は、あらゆる局面に対応出来ると思えるぐらい厳密なルール(信頼度)を構築する必要があります。
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FXの検証方法は「シビア」だと再認識する!

ここまで検証と他の作業における違いを説明しましたが、下記で再度まとめてみようと思います。
チャートを分析・研究する(見るも同義語に近い)
・チャートから動きの傾向や形・特徴を自分なりに見出し、マイパターンとして使っていけるか等の試行錯誤を繰り返していく段階(デモトレードも含まれる)
・この時点では「0 ⇒ 1」を生み出していく過程が殆どで、それらが日を経つごとに「2 ⇒ 3 ⇒ 4」と研磨されていく。
チャートを検証する(サンプリング)
・自分の手法やルールに優位性がある(期待値がある)か否かを確かめるため、膨大なチャートを精査する事。
・単なるチャートを数枚見て確かめたり、書籍やセミナーで紹介されているものを試すレベルは「分析・研究」であり、そもそも確率に「高い優位性」が担保されているとは言えない。
・自分で自分を監視することになるため、手法に抜け穴があってはならない(成績を八百長する可能性が出るため)
・事前に優位性について確信近い状態である点と、信頼度を担保するために最低でも1000枚以上のチャートが必要(できれば、通貨ペア毎に2~3年分のデータがあれば望ましい)
統計を取る(膨大な検証を行った結果)
・検証の結果を数値化し、自分の手法における期待値を証明する事。
・統計はあくまで検証の積み重ねであり、その結果は膨大なチャート枚数によって確率的に収束しており、手法の優位性が担保されていると言える。
・検証するプロセスを通じ、自分の手法に対する熟練度の向上や更なる改善点を見つけることにも繋がる(改善点を踏まえ、再検証する事もできる)
マジで疲れるから「自己満足」で終わらせないでね
以上が、FXで検証していくために必要な考え方・方法となります。
本格的な検証はもっと細かい数式を使ったりして行いますが、検証に関する基礎的な理解と仕組みさえ知っていただければ十分です。
しかし、現実社会の検証と比べてFXは単なる「Yes or No」の検証とは全く違いますし、細かい部分にまで気を配らないと「意味のない自己満足の作業」になりかねません。
誰かが横について監視をしてくれる訳ではないので、必然的に強制力を働かせるのは不可能に近い。
そうなると、自分にとって有利な判定をする事ぐらい朝飯前になる事も考えられます。
でもそれは単に自己満足を得るだけの事にしかならず、それが当たり前になった場合は「検証の目的を忘れかねない行動」へとエスカレートしかねません。
自分を律して検証するのは難しく、そして耐え難いレベルです。
それだけ、優位性を証明する作業は非常に難しく生半可なものではありませんが、事前に正しい検証の考え方をお伝えする事で、これから始める方に注意していただければと思います。
今回の記事が、少しでも多くの読者へ参考になれば幸いです。
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