おはこんにちばんは、レギオンです。
「統計を取る」って言葉は、FXであまり浸透してないように感じますが、
チャート1つ1つを精査(検証)した蓄積が、最終的にまとまった存在(統計)になる。
今回の記事では、世間一般で行われるアンケート等で使う統計取りと、FXで用いる統計取りの何が大きく違うかを明記した上で、
内容のある「効率的」な統計の取り方
こちらを目指してもらう事を趣旨として書きます。
また、正しい方法で「月単位の期待値証明」をする事が、いかに大切かも知ってほしい。
統計取りで過去チャートを引っ張り、チャート1枚1枚を積み上げていくのは「苦行」以外の何でもありませんが、
長期的観点から見れば、それは自身にとって絶対的に必要なプロセスの1つであり、トレーダーとして成長するためにも重要な作業となる。
そういった統計取りのメリットを、この機会に知っていただければ幸いです。
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目次
FXで統計を取る前は入念に準備して始めよう

まず読者に統計取りで心得てほしいのは、
想像を超える「時間と労力」が必要になるってこと。
FT4(フォレックス・テスター4)を自動で回せば何とかなる!と思うかもしれませんが、自分の経験・感性を手法へ落とし込み、それを機械に自動で再現してもらうのは実質的に不可能。
また、時間が膨大にかかるだけではありません。長期間かけて行った結果が「期待値的に相場で通用しない」と判明したら、またチャートを見る作業へ戻ることになる。
つまり、場合によっては「二度・三度手間」となる可能性があります。
とりあえず、数こなしてすればいい!って発想で取り組むと、時間だけが無駄に過ぎる「最悪な結果」になりかねません。
FXで成果が出るのを「10年は軽く待てる!」と言うなら別ですが、誰でも効率良く、FXで稼げるように成長したいに決まってる。
だから統計を取る前は、
「確信に近いレベルの優位性」が得られるまで、「デモ+チャート研究」に取り組むことを優先してください。
それから、統計中に守る厳密なルールを入念に準備した方が、絶対的に効率が良いんです。
FXの統計プロセスを企業と個人で比較する
ここまでの説明が難しいと感じた方もいると思うので、以下は「企業と個人」のケースで比べてみる事にしましょう。
企業は市場で自社の商品販売シェアを広げるため、日夜とんでもない「商品作りの努力」を続けている訳ですが、これは僕たちが手法構築する過程と殆ど同じ。
企業 トレーダー
研究をする ⇒ チャートをみる
開発をする ⇒ 手法・ルールを構築
商品テスト ⇒ 優位性があるか検証
販売・営業 ⇒ デモ&リアルトレード
例えば企業の商品性能テストに着目すると、何回も何回もパターンを変え、徹底的に検証作業を行う事で、最終的に価値ある製品化にまで漕ぎ着く過程がそう。
部品の耐久テストでも何万回と行ったりするし、ゲームでもバグがないかを調べるために、バイトを大量に雇って同じ動作を繰り返させたりするでしょ?
企業は上記一連のプロセスに「人」を総動員することが出来る反面、僕たちはそれを全て「単独」で行わなくてはいけない、ここに統計取りの難しさがあります。
統計取りの準備から仕上げまで、全て自分でしなければダメ
僕たちは他者に助言や指導を受ける事は出来ても、最終的に全てを自分で行う必要がある。
つまり、企業が行う「研究・開発・製品化」の全行程を、自分自身が「一括」して行わなければダメなんです。
大手企業がFXで優位性の手法構築へ乗り出した場合、上記のように細かく部門化してしまい、多くの人材をこき使ってブラック企業化すれば、いくらでも取り組むことが出来るでしょう。
仮に途中で異常があった場合でも、すぐに上流へ送り返したり相互連携するなどして、作業が全てストップしてしまうことも有り得ません。
しかしFXトレーダーは、たった1人の零細企業です。
統計の段階へ「中途半端な手法・ルール」を上げると、統計取りの終了後に、再度手法構築へ戻らないとダメだし、下手すれば最初からチャートを見る事になる。
ただ単純にパパっ!と仕上げ、統計取りへ持ち込む事を繰り返していても、時間と労力だけが無駄に消費されるだけ。
そして成果が出ず、そのまま樹海を彷徨うハメになる可能性も、飛躍的に高くなります。
FXの統計取りは「効率性」を上げてスムーズに行う
故に統計取りを1人で黙々こなす我々にとっては、優位性の証明を可能な限り「1発合格」出来る、
要するに、優位性ある手法・厳格なルールが「細部」にまで出来上がった段階で、統計取りへ持ち込むのが賢い方法だと伝えたいんです。
受講生のリナさんは、入会後にとにかくチャートを見ては、自分の手法やルールを徹底的に整え、何回も授業で構築具合を確認し、それから統計を取るに至りました。
下記リナさんのブログ記事に、手法やルール・統計結果などの詳細が、全て掲載されています。
参考記事(リナさんのFXブログより)
結果として、手法の優位性が「約3年分」に及ぶ統計で証明されたのですが、すぐに統計取りへ進ませなかったのは、
中途半端な優位性の手法・ルールで統計へ進むと、また戻ってチャートを見る ⇒ 手法を構築 ⇒ 統計のループになる可能性があるから。
故に、リナさんは念入りにチャートを繰り返して見たり、デモトレードで結果がどうなったかを確認して改善などを、必死に行いました。
当の本人からすれば「統計はまだ?まだ?」と不満は溜まるし、非常にしんどかったと思う。
印刷したチャートは数千枚となりましたが、結果的にそれだけ下準備したからこそ、信憑性の高い優位性の手法だと証明できたし、効率よく統計を取ることができました。
以降では、統計を取ることで得られるメリットについて、詳しく紹介していきます。
FXで統計を取る4つのメリット【苦しいけど恩恵は大きい】

統計を取るとなれば、1000枚2000枚と膨大な枚数を精査していく事になりますが、誰もがそのような内容を聞かされたら、絶対したくないって首を横に振るに決まってる。
楽して「最短」で稼ぎたいのが人間だから(笑)
統計を取ることは、同じことをルーティンワークで行う拷問に感じるかもしれませんが、
それをデメリットと捉えても、圧倒的に余りあるメリットを享受する事が出来る。
下記では、そのメリットを順番に紹介していきます。
FXで統計的に「手法の期待値」を証明できる
仮に統計をとらず構築した手法で、月単位のpipsもそれなりに獲得でき、かつ自分自身がそれに対して絶対的な自信があったとしても、
それを裏付ける数値や根拠などは、何処にも存在してません。
まして、勝ててる期間がいざなぎ景気のようにロング一辺倒や、リーマンショックのようなショート一辺倒で偏ってる流れだったりと、
たまたま、自分の手法が相場と噛み合ってるだけだったら、どうでしょうか?
それは、一時的な時流や短期的な勝ちの流れに乗れただけであって、今すぐFXから引退するならともかく、10年20年と続けていく気なら、非常に危なっかしい状況だと言える。
つまり、
自分の手法が、長期的かつ安定した期待値を「毎月・毎年」出していける、数値的な証明(バックボーン)
これがなければ、今後も稼いでいけるかは不透明のまま。
故に過去チャートを積み重ね、統計的に自分の手法・ルールが相場で期待値があるのを、数字で証明することが必要となるんです。
でもそれを証明できた場合は、
マーケットで「稼いでいける可能性が高い」と同様の評価を得たという事実と、同義になります。
FXに100%の答えがない以上、数字で将来的に生き残れる期待値を算出することは、非常に大事な作業。かつそれは、自分だけで相場で稼ぐ「答えの1つ」を見出したことになる。
その差は、統計をとってないトレーダーと雲泥の差を生むことになり、相場で生き残っていく自力(トレードスキル)が確実についてるとも言えるでしょう。
手法・ルールに対する熟練度が上がる【訓練的な効果】
統計取りは1つ1つの検証を積み重ね、手法の期待値を数字で証明する主目的のほかに、
自分の手法に対する扱い(熟練度)を向上させる「側面的効果」があります。
例えば、201○年4月1日(月)のチャートを精査するとし、主要なクロス円(ドル・ユロ・ポン)とユロドルの4通貨を見るとする。
その時は、当日トレードを行っているかのように指標・発言を確認したり、トレード時間前に印刷したチャートを手に取り、方向性やエントリーの有無をチェックする。
すると初めは、複数通貨ペアを見る物量と、それぞれに細かく神経を配ったりの連続だから、1日の検証にある程度の時間を費やすことになります。
ですが、それを半年・1年と検証を繰り返し重ねれば、チャートの印刷からエントリーまでにかける時間は効率良くなるし、手際も必然的に良くなっていく。
そして何よりも、自分の手法を使うために必要な「見立ての力・判断力・相場観」といったものが、無意識の内に自分の脳内へさらに根付いていきます。
つまり、何枚も積み重ねていく一連の行動プロセスは、自分の手法を使いこなす上で熟練度を上げる「訓練的な意味合い」も持ち合わせているんです。
何故なら、統計取りは基本的に2~3年は当たり前に行うから、仮に上記4通貨を3年分チェックしたとしても、
実質的には「平日が約250日/年×3年×4通貨=約3000枚超」のトレードを、擬似的に行ったと同義になる。
故に、これだけの膨大な統計を取って、手法に対する熟練度が上がらない訳がない。
統計取りは非常に手間がかかるし、面倒くさいのも分かりますが、「期待値の証明と熟練度の向上」を同じ時間に揃って出来る、非常に効率のいい勉強とも言えます。
手法や考え方を「修正・改善」できる箇所が見つかる
統計取りを行う時点では、完璧な手法やルールと言えるものでなく、
統計を取る前に、トレードの手順や決まりを整えた「デフォルト」の状態に過ぎません。
もちろん、それでも月単位の期待値は計上できますが、
・もう少し損切り幅を柔軟にすれば、結果が変わるのではないか?
・エントリーの方法を、こういうケースはズラしてみると良さそう!etc…
その過程で、多くの気づきや閃き、修正・改善すべき箇所が見つかっていくんです。
仮に3年分集計するとすれば、約3000トレードを精査する事になるから、そこで逆に何も自分が見出さないと思いますか?
要するに、統計は数値上の証明や熟練度の向上以外にも、
手法を更にアップグレードさせる「ヒント」を精査する場でもあるんです。
それだけの数をこなせば、イヤでも絶対何か見つかるから(笑)
でも検証中に改善点を多数見つけたからといって、すぐに適用してはいけません。
途中からルールを変更すると、今まで行ってた変更前のルールと違うため、結果が最終的に異なってしまうからです。
だから、見つけた気付き・改善した方がいいポイントは「メモや記録」として残し、統計取りが終わった後に再精査やデモトレードで調整しましょう。
必ず、あなたの手法を強化するために貢献してくれる存在となります。
トレードで自分を信じる「根拠の源」となる
チャートを重ねに重ね、自分の手法に月単位の期待値があると統計的に証明できた場合、実践上でも月単位で○pips稼げる期待値が適用されるため、
統計と同じように淡々とすれば、理論上は稼げる状態となります。
ですが、現実世界のマーケットへ行ったら、突然として連敗に次ぐ連敗へ陥るのもつきもの。
その際に、もし自分の手法は稼げると何となく思った状態で、かつ統計も取らず安易にトレードを行ってたらどうなるでしょうか?
おそらく途中で、自分の手法やルールに「何か欠陥があるんだろうか?」と感じ、それが仮に月単位で期待値があったとしても、絶対に手法を弄る方向へ舵を取る。
すると、今までの手法からは徐々に遠ざかり、更にトレードで必要な期待値を失いつつ再構築していく、180°の逆手順を行ってしまう。
そして、最終的に全く勝てる手法と程遠いものが出来上がり、以降は優先的に「樹海への特急券」を手に入れるハメになる。
統計を取ってない手法を扱うにしても、それ自体に「自己の信用」がないため、自分を信じてトレードを行う事が「回数」を重ねるごとに困難となるんです。
そうならないためにも、膨大な統計取りを2000枚3000枚と行い、自分の手法に月単位の期待値がある事を確かめるのであって、
もし「連敗に次ぐ連敗の流れ」が押し寄せたとしても、それは「一過性の時期」だと信じ、トレードを黙々と行う事ができます。
それだけ、自己の手法・ルールを数値化し、エッジを証明することは大事。
仮に10連敗している状況で、
・自分で作り上げたオリジナル
・人から教えてもらったコピー
上記だったら、どちらを以降のトレードで使用しますか?その答えが、統計取りを行うことの大切さを表しています。
このように統計を取る事は、数値化・熟練度UP・改善点の把握など「多種多様」に役立つ中で、結果的に自分を信じていく上での地盤を、確固たるものに構築してくれるのです。
FXで統計を取るデメリットは苦しい点のみ

FXで統計を取るメリットを多く紹介しましたが、反対にデメリットがないかと言われれば、実質的な不安要素はありません。
しかし、統計を取ることは体力的・精神的に削られる部分はあるので、そちらだけ留意点として紹介します。
統計を取るのはとても長い時間が必要【ただの苦行】
統計は黙々と机に座って2~3年分、チャート枚数でいうと「2~3000枚以上」になる内職的作業をこなすことで、多くの恩恵を得ることができますが、
反面それを行うために、膨大な時間を投資しないといけません。
例えば、ドル円・ユロ円・ポン円・ユロドルの4通貨を1ヶ月分精査する場合、平日が20日と考えるなら「20日×4通貨の80枚」を見る必要がある。
これを、所々のチェックを兼ね「1枚約7~8分」で回すとすれば、7~8分×80枚=約600分で「計10時間」を1ヶ月分の検証に使うこととなる。
ただノートレードと判断出来るチャートも多いので、上記時間は現実的に2/3程となりますが、
1年分を「丁寧」に仕上げようと思うのであれば、10時間×12ヶ月=120時間は視野に入れないとダメ。
もちろん、統計取りの要領が分かってくれば、徐々にルーティン化して能率も上がると思いますが、それでも膨大な時間が必要となるでしょう。
そして4通貨3年分をこなすのであれば、
統計を取っていく「慣れ」によるスピードアップを考えても、約200~300時間は取る必要がある。
ただ、絶対に4通貨を3年間しろと言ってる訳じゃありません。
主要なクロス円3通貨でもいいし、期間として1年間は少なくても、2~5年を好きな組み合わせで行ってもらえればOK。
どちらにせよ、膨大な時間をかけ「月単位の期待値」を証明しないとダメなので、「ある程度の期間」は集中して行う事を覚悟する事に留意してください。
ルーティン作業なので、メンタル的にキツい
統計は、事前に決められた手法・厳格なルールに則って行い、また2000枚3000枚と膨大な量を淡々とこなす必要もあるため、
身体的な負荷よりも見えないところ、つまり「メンタル」にかかる負荷が圧倒的に強い。
毎回好きなようにトレードするならまだしも、やってる事は、工場の生産ラインでチャートを順番に捌いていくのと変わりません。
しかし、FXの検証がそれと大きく違うのは、
運ばれてくるチャート1枚1枚の「仕組み・構造」が、全く違うという点です。
まるで車の生産ラインが、「トヨタ ⇒ ホンダ ⇒ マツダ ⇒ 日産」とランダムで運ばれてくるようなもの。
それらを、事前に定めた手法・ルールで丁寧に組み立てるため、毎回集中力を嫌という程に使わなければいけません。
故に、身動きがとりづらい状況下に統計取りはなってしまうため、メンタル面への影響や、精神的疲労が溜まりやすくなる。
もちろん、統計中に大きいプラスが何回も出てれば気も楽でしょうけど、全てがそういう結果になるとは言えませんよね?
そういった「途中で起こってしまうイライラ感」も、メンタルを圧迫する原因の1つ。
なので、統計を取る時に「確保できる時間」以上は、チャートを詰め込んで無理に行わないことが大切。
進めたいのは分かりますが、それで質が落ちてしまっては何のために行っているか、訳が分からなくなってしまう。
そして適度な間隔で息抜きをし、気持ちを再度リセットした上で臨むようにすれば、息が詰まってどうしようもない状況にまで陥ることはありません。
自分の精神管理も、トレーダーにとって重要な行いの1つです。
それがリアル相場へ行く前から地道に鍛えられるのは、ある意味でラッキーなのかもしれません。
FXで統計を取る為に時間は必要!でも絶大な効果あり

以上が、統計取りに関するメリット・デメリットのお話になります。
といっても、デメリット的な部分は殆どが「本人のやる気」に依存するので、結局は頑張ってすればするほど、統計取りから受ける恩恵が大きいという事。
それだけ統計取りは効果ありますが、多くのトレーダーに勘違いしてほしくないのは、
「既存の手法(チャートを見て少しのレベル)で、デモを触っては修正して」
これは検証ではなく、チャートを研究・手法を開発している段階の話です。
上記の段階で、リアルトレードへ訳も分からず行ってしまうと、場合によっては長期的に苦しむきっかけになる。
だから統計取りの段階へ行くまでに、できるだけチャートを見ては研究を行い、
自分だけの仮説(優位性のある可能性が高い手法)を、必死に練り上げてほしいんです。
確かに、1枚1枚へ神経を傾け、手法・ルール通りに統計を取るのは地道だし、一見すると「月30万・50万稼ぐ!」みたいに、表舞台で華やかな世界と隔離されたイメージしかありません。
しかし、そこまで到達するのに必要なプロセスがこの統計であり、セミの幼虫みたいに地中深くいながらも、いつか自分もお天道様が拝める日を迎えられると信じ、耐えて取り組むんです。
時間はかかりますが、それによって得られるメリットは計り知れません。
ショートカットして進んだとしても、最終的に戻ってくるハメになるなら、最初に出来るだけ苦しみましょう。
それがトレーダーとして、将来羽ばたくために通らないとダメな道だったら尚更。
どんな苦労も惜しまない
そんな人間こそ、成功するのがFXだと僕は信じています。
今回の記事が、少しでも多くの読者へ参考になれば幸いです。
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