FXで損切りしないと安定して稼ぐのは不可能



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おはこんにちばんは、レギオンです。

 

トレードでチャートの何処からエントリーするかに神経を注ぐこともあれば、いつ利益を確定させようかと考える場面もありますが、

 

トレードで一番大事なのは、最悪のパターンを考慮した「損切り」に他ありません。

 

リーマンショック ⇒ スイスフランと絶望の時代を生き抜いてきた方々は、

 

絶対に損切りしないと資産が吹っ飛んでしまう!

 

それが嫌というほど身に染みてるから、日常の損失を受け入れる事ができてるハズです。だから一定数の地獄を見たり聞いたりしてるトレーダーは、損切りを日常の一部であるかのように実行します。

 

しかし、新しく参入したトレーダーは「損切りする意味」について無知に近い状態だし、

 

損切りは重要なんです!

 

このようにブログやYoutubeがどれだけ紹介しても、結局はあやふやにして適当にするトレーダーが非常に多い。中には損切りしないトレーダーもいたりで信じられない光景ですが、彼らからすれば下記のように反論するでしょう。

 


・塩漬けでいい!戻すのに損を確定するのは愚か

・決済しなければ損切りしないで大丈夫

・低レバレッジで運用すれば最終的に稼げる etc…

 

強気の姿勢で損切りしないのは凄いとしか言えませんが、

 

残念ながら、その手法で生き残ってるトレーダーを聞いた事がありません。

 

そこで今回は、

 


・損切りしない人の発想を客観的に知る

・考えを変えないと大損・破滅する理由

・損切りの重要性を改めて知る

・損切りしないやり方を改善する手順

 

上記4点について解説します。

 

損切りはトレードで絶対に必要な手段であると同時に、資産を相場の攻撃から「最小限のダメージに抑えている点」にも理解が深まれば幸いです。

 


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FXで損切りしない人の考えを知る

 

 

FXで損切りしなくても稼げるという一部風潮は、何も今になって始まったものではありません。

 

14年前に起こった「サブプライム・リーマンショック」の直前までは、相場がひたすら円安だった事から「損切りしない手法」が当たり前のように存在しました。

 

しかし大暴落により殆どの人が退場した後、そこに何も知らないルーキーが補充される「人のサイクル」が現在まで延々と続き、

 

損切りの価値観は、多くのトレーダーにとって「常に希薄化したもの」となっています。

 

ただ、個人によってその考え方・価値観は大きく異なると思うので、

 

損切りを実行しない人の考え方や心理

 

まずは本題へ入る前に、上記を客観的かつ私の経験を踏まえて紐解くことにしましょう。

 

必ず「プラ転する」しか思ってない

 

初っ端から含み損のマイナス続きだと強気は難しいですが、

 

何故か最初というのは「ビギナーズラック」を引く確率が非常に高いです。

 

そして最初に実行した方法で稼げたのなら尚更、そのまま同じ方法を駆使してトレードする事になるでしょう。

 

・このトレード方法なら絶対に稼いでいける!

・俺が負けることなんてあり得ない

 

これぐらいは当然と言えるぐらい思い込むし、多少のマイナスが続いても「戻してプラス」が継続すれば、この状態こそ最強なんだと信じ込んでしまいます。

 

それが相場で優位性ある方法だと「偏った確信」をしてるのは明らかだとしても、

 

上手くいった時の記憶は「そう簡単に」消せるものじゃありません。

 

パチンコや競馬で大きく稼いだときの記憶が鮮明に残っていて、まるで過去の栄光を取り戻すかのように「お店とATMを往復する」のと同じです。

 

「必ずプラスになる!もしくはプラスにする」

 

その得体の知れない根拠によって、現状はプラスが維持されているだけなんです。

 

もし、自分の手法にとって致命的なチャート状況となった際でも、その考え方は何も変わらないでしょう。

 

間違いだと気づく時には、証拠金が既に枯渇状態かもしれません。その時に全ては幻想だったと気づければマシですが、

 

パチンコのようにATM(ネットバンキング)から即入金が始まれば、エンドレスの「地獄RUSH」が続く事になります。

 

決済はマイナスが確定するから拒否

 

前項の延長線上的な話ですが、株式や外貨預金といった「実質レバレッジがない投資」だと、多くの人は含み損がどれだけあっても「マイナス」という認識を持ちません。

 

単純に損失が確定してないからです。

 

どれだけ下がっとしても「数ヶ月~数年」で戻ってくる感覚でいるし、そもそも口座内に表示されている赤字を「決済までの過程」だと思っているぐらいでしょう。

 

それに買った価格から半値になったところで売るのは、わざわざ自分で損失を認めるようなものだと感じるため、

 

「そんな意味不明な行動をとるものか!」

 

だから絶対に途中で降りることはないし、プラスになるまで頑固に保有を繰り返します。

 

ただ上記考え方は「レバレッジ1倍」だから使える話であって、

 

FXでレバレッジを大きくかけてトレードする場合、途中で降りないと終着駅(強制ロスカット)まで持ってかれる可能性があります。

 

多少のマイナスぐらい何ともない!と初めは思っていても、それが少しずつ大きくなっていき、気づけばマイナスが30~50%を超えてズルズル引きずられていく。

 

我慢すべき局面で耐えるのは美徳かもしれませんが、

 

途中で道を引き返すのも勇気です。反対に何も考えず進むのは「無謀」です。

 

事が終わってから気づいても遅いんですよ。

 

無計画で含み損を野放しにしてるのは、ただ死期を遅らせてるに過ぎません。末期まで進行してからじゃ手に負えなくなります。

 

最悪の事態については全くの想定外

 

そして殆どの人は、自分がトレードで最終的に「○○万稼ぐ!」しか視界に入っていないため、目先の利益だけを追い求め続けますが、

 

この時、最悪のリスクに対する「バックアッププラン」を誰も持ってません。

 

人間は本当の恐怖に相対したとき、約7割が本能的にその場で動けなくなるという結果が出ているそうです。それは自然災害や大きな事故など多岐に及び、FXも例外ではありません。

 

今のご時世で目の前のお金が減るのは、動物で例えると生きるために必要な草や肉が、周りの環境から無くなっていくようなものです。

 

それだけ我々にとって「資産の減少」は死活問題であり、必ず対処しなければいけない問題なんです。

 

これが大昔だったら、

 

・手当たり次第、周辺の山々にいる動物を狩りまくったらどうなるか?

・農耕のために木々をなぎ倒して開墾を続ければどうなるか?

 

誰でも結果は分かります。最終的に動物はいなくなり田畑も枯れ果て、少ない食料をめぐって仲間内で争いが起こってコミュニティは消滅するでしょう。

 

だから人間は、日々の生活を管理する知恵を徐々に学んできたんです。

 

FXで最悪のリスクを想定してないのは、自分勝手に狩りをしたり木を切り倒してるのと変わりません。

 

現実となった後に考えても遅いし、誰も周りはあなたを助けてくれない

 

ただ単にポジション持って利益だけを求めるのは、それ自体が最悪の思考パターンとも言えるでしょう。

 

【補足】逆指値を入れずに稼ぐ人は皆無

 

「損切りしない手法で稼げます!」って人は昔から数多くいたし、確かに一時期の相場だと通用したかもしれません。

 

でも誰1人として、現在も大金を稼いで生き残ってる話を聞いた事がないです。

 

ほとんどが途中で大きく資金を吹っ飛ばして退場したし、そのサイクルが短期間で起こっているから、毎年のように損切りしなくても稼げる人がいるように見えるだけ。

 

仮に損切りしない人が緑○でロングしたとしましょう。

 

各紫□のところで上手く利食い出来れば手法として成り立つかもしれないし、その後の下落に耐えられる資金量を持つのであれば、下落も怖くないと思う。

 

でもそんな「エントリー・利食いスキル」があれば、損切りは当たり前のようにするハズだし、許容範囲を超えた含み損をずっと抱える「バカな真似」はしません。

 

つまり、必ずどこかでチャートと折り合いをつける時がきます。

 

そこで適切な対応(損切り)をしなければ、近いうちにチャートから見捨てられる瞬間が必ず訪れます。

 


・損切りは証券会社が手数料収入を増やすための謳い文句だ!

・環境認識が出来れば損切りなんて必要ない!

 

中には上記見解もあったりしますが、本当にこのように思いますか?

 

私はこんな主張をして毎月稼ぐトレーダーさんを誰1人知らないし、今までに聞いたこともありません。

 

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FXで損切りしないと「大損・破滅する」3つの理由

 

 

FXはおろか株や先物などの投資全般で見れば、ポジションに対して明確に逃げる場所を決めてる方って少ないと思う。

 

細かく言うと、損切りという概念すら持ち合わせず「ひたすら保有してるケース」が非常に多い

 

株なんかが良い例で、確かに「TOYOTA」や「パナソニック」といった一流企業の株式を持ってれば潰れる事はないでしょうし、価値が極端に暴落することもないでしょう。

 

ですが、損切りしないで長期的に持ち合わせる手法をとれば、それは投資として資産を増やすには非常に難しい方法となるのは明白です。

 

下記ではその理由を3つの項目に分けて紹介します。

 

1.含み損が保有を始めたレートまで回復する保証がない

 

ポジションの含み益がグングン増加するならまだしも、含み損が一気にビックリする金額に達しているケースはよく見られます。

 

高値掴みで大暴落したケース


・1990年以降のバブル崩壊

・2007年サブプライム・リーマンショック

・2018年仮想通貨の暴落etc

 

上記のように、株価や為替レートが高騰している最中にポジションを持ってしまった場合、殆どが頂点に近いポイントから下落を続け、

 

仕込んだ当初に想像してなかった場所まで暴落しています。

 

そこまで保有したら売っても二束三文だし「塩漬けしてしまえ!」となるんですが、その際に彼らの考える内容は「元の位置まで戻った時に決済すれば完璧じゃん」って思考が殆どでしょう。

 

でも残念ながら、一時的な高騰の値にまで戻る事はまずありません

 

数年後に回復するといった判断も「決断を保留している」のと変わりませんし、既にそこまでの含み損を抱えているのが「異常」という認識を持つべきです。

 

【更に詳細】相場は実需がなければ適正値に戻る

 

何回も繰り返し言いますが、実需に伴わない暴騰はその購入値にまで戻すことはまず有り得ません。

 

損切りしない手法をとっていると、人生において必ず致命的ダメージを受けます。

 

過去にも似たような事例が、中世オランダのチューリップバブルでも起こっています(下記画像を参照)。

 

当時球根が約1000円以下だったチューリップが突如の「暴騰に次ぐ暴騰」を繰り返し、最盛期には最高品質だった球根が「川沿いの一等地の家」を変えるぐらいの値をつけました。

 

 

参考になったサイト

ペペラといっしょ「チューリップバブル:最古の金融バブルの凄さをわかりやすく解説」

 

そもそも、チューリップの球根自体に観賞用としての価値が家1戸分あるとは考えにくいし、金やダイヤモンドのように地球規模で実需がある品ではありません。

 

その後は結果的に、わずか3年足らずで元の値以下にまでジェットコースターのように下落しましたが理由も不明。

 

単に値崩れが突然起きて連鎖したとしか思えませんが、異常な価値の暴騰が適正値へ収束していった結果。

 

そして約400年ほど経った現在でも、チューリップは過去の英華を取り戻してはいません。

 

為替であれば、いつか当初のレートまで戻す可能性はチューリップより現実的ですが、ドル円ですらリーマンショック前の水準にまで一時的に戻すのに「8年」かかっています。

 

その間を保有し続けて耐えたとしても、プラスの価値は何も生まれていません。

 

それは投資と言えるのでしょうか?

 

2.ハイレバレッジだと損失をカバー出来ない

 

FXが投資として流行っているのは、レバレッジを効かせて低資金でも大きなトレードを可能にしているから。

 

世間で1倍以下にレバレッジを設定してるトレーダーって、殆どいないと思う(1倍は外貨預金と殆ど変わらない)

 

レバレッジ1倍を超えてる方は、必然的に損切りしないと「常に資産を大きく失うリスク」を抱えている事になります。

 

どれだけ2倍3倍とレバレッジを抑えているつもりでも、為替レートの暴落は音もなしに忍び寄ってくるんです。

 

例えば、ドル円を100円で10万ドル分ロングで購入したとして、それを口座資産に500万程入れてレバレッジ2倍で運用したとしましょう。

 

普通に考えればドル円が短期間で半値以下になるのは想像し難いし、むしろ伸びてくれれば美味しいと感じる方が多いハズ。

 

でも損切りしないで保有していると、

 

あってはならない相場が訪れた際、ポジションを持てる「限界値」にまでレートが達してしまう事があります。

 

上記のケースだと、ドル円が50円になれば「10万ドル×(100-50)円=500万円の損失」となりますが、確率的にはリーマンショック級の暴落がないと強制ロスカットにはなりません。

 

しかし、通常は10倍なんてザラに仕込んでるのが当たり前。

 

そうなると5円10円下がっただけで資金的に耐えれず、口座が吹っ飛ぶ可能性は一気に上がります。

 

損切りしない手法だと、レバレッジの恩恵が「相場の気分」によって諸刃の剣となりかねません。

 

特にこの手法を使う方は、高金利通貨でスワップ金利を稼ぎたいと考える方に多い。

 

近年だと、トルコリラの暴落で長期保有していた方々が「大損・破産」したのは記憶に新しいです。

 

無計画な長期保有は「死」を招く

 

仮にレバレッジ2倍で13年に仕込んだとしても、スワップ金利を含めて18年には強制ロスカット(貰えたスワップ金利を口座から引き出していれば、被害はある程度軽減出来たかもしれません)

 

これが現実に起こっている内容です

 

レバレッジを効かせて資金的に耐えれない方法、

 

要するに、損切りしない方針だと上記のような目に遭っても文句言えません。

 

常に最悪のリスクが生じる可能性を踏まえるのであれば、損切りが必ず必要になる事を想定してトレードしましょう。

 

3.含み損の最中はトレードが休止状態

 

損切りしないで含み損が大きな割合を占めてしまうと、そのポジションが元の位置にまで回復するのに「膨大な時間」がかかってしまう。

 

仮にドル円を100円ロングで持ってたのが70円に暴落した場合、もう後は塩漬けしてお祈りするしかない訳です。

 

そうなれば、もう投資していると呼べません。

 

あとは日々の生活の中で放置しつつ、たまに眺める行動を繰り返すだけの状況が続く。

 

これって意味ある行動に見えますか?

 

上記みたいに30円近くも暴落したチャートが元に戻る可能性を踏まえると、毎日見ることは何の意味すら持ちません。

 

客観的に見れば、ただ気になって見てるだけにしか過ぎない動作

 

キツく書けばこうなります。もし30円の含み損を回復するような相場が来ても、何年の時を経ているのか分かったもんじゃない。

 

でも30円の暴落を見る前に「せめて5~10円」で損切りを行っていれば、その後に体制を立て直して好転する可能性もあります。

 

逆に失敗から教訓を得て、暴落の波に大きく乗れる可能性だって出てくるんです。

 

塩漬けで持ち続けてる事をトレードだと言わないのはもちろん、自分のポジションに対する判断を先延ばしてるに過ぎません。

 

過小な損失ならまだしも、口座資産に対し30%~50%以上を占めるのは「正常な損失」と言えません。

 

まずは自分の判断をポジションに対し明確にした上で、それから再度相場へ臨むようにしましょう。

 

一旦保持していたものを手離し、再度マーケットを客観的に見れる冷静さを取り戻せば、自分がどれだけチャートを主観的に見ていたかが分かります。

 

ここまでの内容で「いかに損切りしないと手遅れになるか?」を納得いただけたかと思うので、ここから具体的な損切りの意味を説明します。

 

FXで損切りしない人は「重要性」を理解する

 

 

そもそも損切り(ロスカット)ってどういう意味なのか?

 

よくブログやYoutubeで聞いたりするけど、これが根本的に分かってない方もいると思います。

 

簡単に説明すれば負けを確定すること。

 

言い換えると、ポジションの将来性を見切る事です。

 

例えば、ドル円を100円で1万通貨をロングで購入していた場合、そのまま101・102円と伸びていけば読み通りとなりますが、レートが反転して99円になればマイナスが生じてしまう。

 

そのまま持ちつづけて相場が戻れば問題ないけど、逆にそれ以上のマイナス(99円より更に下)になるリスクもある。

 

そのような事態を避けるために損切りを実行し、相場からポジションを手仕舞って逃げるんです。

 

損切りする事で、自己資産が大きく減る可能性を無くす。

 

この感覚は私生活で全く馴染みがないかもしれませんが、それを常に生活習慣のごとく行っていくのが「FXの世界」だと理解してもらえればOK。

 

下記では、更に詳しく損切りする意味について「2つ」ほど言及していきます。

 

1.資産が大きく減ることを免れている

 

上でも書きましたが、損切りすることは資産を著しいマイナスになる可能性から避けるため。

 

でも損切りは損を確定させることだから、誰だって嫌に決まってます。

 

利益確定なら気分もいいでしょうが、損切りするのは全く正反対の事なんだから当たり前だし、お金が減る以上にメンタル的なダメージも蓄積されたりと、普通に考えればいい事なんてありません。

 

損切りする事で認識できる嫌な内容3つ


・自分のトレード判断が間違っていた事に対する精神的なダメージ

・今の相場が手法・ルールに合致しなかったと認める事への苛立ち

・更にお金まで相場へ吸い取られる金銭的ダメージetc…

 

損切りすると、上記のように苦しくも酷な経験をしなければいけない。

 

それでも淡々と慣れている方は逆指値を入れている。

 

傷が大きく広がって、膨大な損失を出すのを防ぐ意味からされていると思いますが、

 

もっと根本的な理由は、たった1度の大きな損失で「破滅する」のを防ぐため

 

私たちは一番これを恐れているから、その事前対策として切っています。

 

だからこそマーケットで今も五体満足で生きていられるし、トレードを継続して行うことが可能なんです。

 

ユミンコさんも言ってましたが、確かに9割以上のポジションが持つ含み損は「大体」が元の建値にまで回復すると思う。

 

ある程度の資金をぶち込んどけばチャートがいつか戻るのは明らかだし、「だから損切りなんていらねぇよ~」って不要論もあるでしょうが、問題はそこじゃありません。

 

限りなく「0%」に近い事態が生じた場合

 

ここに着目しなくてはダメです。

 

0に近いレベルというのは、ご存知に違いない未曾有の大暴落であったり10円20円クラスの乱高下を指します。

 

直近なら、2007年のサブプライム ⇒ リーマンショック・2015年のスイスフラン大暴落でしょうか。

 

これらの暴落は想定を遥かに越えた下落幅となり、資産を全て失った人が山ほど出ました(2ちゃんねる等の掲示板を見れば当時の酷さを知ることができる)

 

もしこのような事態が起きてしまった場合、マーケットに損切りしないで立っていられますか?

 

アメリカの巨大企業ですら暴落の前では赤子同然に過ぎません。それに比べ、我々のような個人トレーダーは吹けば飛ぶドラクエで例えるならスライムレベルです。

 

そのような経済的な体力で大きく劣る我々がリスク管理を「何となくやってる」程度だと弱いし、ましてや絶対に長期的に生き残っていけないと思う。

 

1割にも満たない阿鼻叫喚を避けるために、日々ロスカットを繰り返している

 

これぐらい強い考えが丁度いいのではないでしょうか?

 

このように1回の損失で全てを失う「破滅的トレード」をしないよう抑制するのが、損切りの本質的な意味の1つとなります。

 

2.優位性が崩れた時に実行する措置

 

どこかで負けた事実を確定させないと、いつか損失が膨らんで破綻するのは何となく分かったと思いますが、損切りに秘められたもう1つの理由として伝えたいのは、

 

手法の優位性が崩れた際に逃げる為

 

要するに、チャート状況からポジションを見切って撤退する事です。

 

ただいきなり優位性が崩れたとか言われても分からん…!って人もいると思うんで、ペイントチャートを使って説明します。

 

 

まず前提として「00」の節目で跳ね返り、その上の「00」で利確する手法に優位性があるとする。

 

決済は節目のポイントになるため+100pipsですが、損切りする場所をまだ決めていません。そこで候補として下記3つを用意しています。

 

・99.90

・99.80

・99.70

 

上記3つの内、どれを逆指値に設定しますか?

 

もしこのように問われた場合、リスクリワード重視でロスカットを青丸の99.90にする人もいれば、ワイドに99.80 or 99.70に構える人もいるでしょう。

 

ですが、これだけの情報では正確に決める事は出来ません。もはや勘で決めろと言っているようなものですから。

 

故に細かい分析をしてLC幅を決めにかかるんですが、そこで情報として下記の条件が追記された場合、読者の方ならどのように設定をしますか?

 

更に条件を加えたケース

1000回の検証を行った結果、その内300回が指値まで到達して残りが全て大きく逆行する事が判明。300回の利食いまでにおける内訳は、

 


A.99.90より上で止まってから伸びた 100回

B.99.90を抜け、99.80より上で止まってから伸びた 200回

C.99.80を抜け、99.70より上で止まってから伸びた 0回

 

このようになりました。さてどれが一番期待値が高いでしょうか?

 

こういった問題は数学でよくありますが、どれだけ確率と数値に基礎的な理解をしているか否かを把握するのに役立つ。

 


答えは「B」

A.100pips×100回-10pips×900回=1,000pips

B.100pips×(100回+200回)-20pips×700回=16,000pips

C.100pips×(100回+200回)-30pips×700回=9,000pips

 

集計を取るのは大変ですが、「B」の幅が一番期待値的に高いのは数字から判断できます。

 

上記の結果から分かったこと


・損切りを10.1pips~20pipsの間で設定する事が、手法の優位性を一番活かせる

・損切り幅を20.1pips以上へ上げるにつれ、手法の優位性は徐々に失われていく

 

要するに、

 

・手法の優位性が維持される損切りは20pips

・20pipsを超えると損する率が途端に上がる

 

故に回答例の1つとして「絶対に20pipsの損切りで手仕舞いしましょう!」って内容となる。

 

つまり、損切りは資産を守る手段としての機能を持つと共に、手法の優位性が維持できなくなった際に「効率よく逃げるための手段」として使うことが可能となります。

 

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先ほどの内容で、損切りの意味を本質的に理解出来たはいいものの、

 


・損切りがそもそも出来ない

・具体的な方法がよく分からない

・手法へどのように組み込むか悩む etc…

 

上記のように、頭で分かってはいても「行動へ移すまで」が難しく感じるかもしれません。

 

しかし、損切りは相場で長期間生き残るために必要な手段ですし、最終的には「無意識レベル」が当たり前となります。

 

以降では「損切りが出来ない・苦手な方向け」に、正しいアクションが自然と出来るようになるまでの手順をご紹介します。

 


注意点

1.内容は説明上「リアルトレードしてる前提」で書きますが、個人的には「デモトレードからの損切りを」オススメします。

2.今回はエントリー時が中心なので、ポジション保有後の「損切り調整」については明記しておりません。

 

(1)必要な損失として受け入れる

 

損切りが全くとして実行出来ない人は、

 

「含み損は一時的なものであり、時間が経てば相場が戻して回復するだろう」

「証拠金は○○万あるから、あと5円ぐらい急落しても耐えられる」

 

こう考える人があまりに多い。

 

でもその考えには「ダメだった場合」の選択肢が一切ありませんし、最悪のケースが生じた場合は相場で立ち続ける事も出来ないでしょう。

 

つまり「トレードで損は当たり前に出るもの」だと脳みそが認めない限り、逆指値を入れない習慣は無くなりません。

 

例えば、スーパーの惣菜コーナーを見てください。

 

殆どの商品は当日に売れなければ廃棄処分となり、材料の仕入れから商品を作るまでの人件費等を回収出来なくなります。

 

閉店までに殆ど売り切れれば問題ありませんが、営業時間が終わりに近づいても全然売れない場合、やむを得ず「10%→20%→30%」と価格を下げていく。

 

これらの行動は、購買意欲を値下げで煽ることによって「売れないよりマシだろう状態」へ持っていきたいからです。

 

要するに、店側は販売前に「売れないことを想定した損切り」を営業時間内の作業に取り入れてると言えます。

 

例えは大きく変わりますが、サバンナで生きるライオンやチーターといった肉食動物は、がむしゃらに獲物を追って狩りをしている訳じゃありません。

 

草むらへ身を隠して徐々に近づいていき、補足可能な距離となった際に飛び出して襲いかかります。

 

これらの肉食動物に対するイメージは「ハンター」のような確実・正確さだと思いますが、これら肉食動物の狩りが成功する確率は「20~25%」と意外に低い。

 

彼らも獲物が捕まえられないと判断したら、潔く追いかけるのをやめて「その機会を損切り」するんです。

 

まして、彼らは生きるために必要な肉を調達するため狩りをしているのだから、体力が言うなれば証拠金のようなもの。

 

それを体力尽きるまで追いかけ回したとしても、長距離移動を得意とする草食動物に「持続力」で勝てませんし、下手すれば他の肉食動物に襲われるリスクも高くなります。

 

だから狩りを諦めることは、サバンナで長期的に生き残るための「損切り」でもあるわけです。

 

私たちは証拠金が減ったところで命まで取られたりしませんが、先ほど紹介したスーパーと同じように「事前に損が出る可能性」は当たり前に考慮すべきだし、ポジションをただ握りしめてたら体力が枯渇する事まで視野に入れる必要があります。

 

毎回トレードが成功する可能性は100%じゃありません。

 

この意味が分かれば、損切りは生きるために必要な手段だと脳みそが完全に理解するハズです。

 

「損切りしないで勝率100%!トレードも30連勝です!」

 

こんな事をドヤ顔で言ったら、稼いでるトレーダーに「ぷぷぷぷ」と笑われますよ。

 

なぜなら「あと数年以内に退場します!」と叫んでるようなものだからです。

 

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(2)初期段階は「金額基準」で決める

 

損切りの必要性が分かったのであれば、ようやく逆指値を設定していると思いますが、

 

損切りは「毎回」当たり前に設定する

 

これを必ず前提としてください。

 

それを踏まえた上で、損切り幅をどのように決めていくかというと、

 

初期段階は金額で構いません。

 

例えば、ドル円を100.00で1万通貨ロング場合

 


・1万円負けたらとりあえず損切りするか

・何かの教科書で証拠金の2~3%とか言ってたな

 

明らかに損切りを設定する方法としては荒いですが、自分の中で切りたいと思う金額を逆指値に設定しましょう。

 

今は何よりも「損切りを習慣にする事」が大切だからです。

 

初めは上記基準で発注するため、不必要な損切り幅で切られたりする事も多々ある中で、ようやく損切りする重要性を肌身に感じてくることが出来ます。

 

そうなってくると、必然に損切り幅をあまりに広くしていた箇所を縮小したり、金額面での調整を無意識に行うようになるでしょう。

 

ここまでくれば損切り習慣はバッチリと言えますが、

 

チャート勉強を並行していれば、徐々にpips(為替レート)で決める方向へ舵を切るハズ。

 

損切りは金額を意識して判断材料へ入れることはあっても、チャートのどこで切るかはpips基準で決める必要があるからです。

 

それが次のステップとなります。

 

(3)慣れたら「pips」をベースに発注

 

先ほども書いたとおり、チャート勉強を地道にコツコツ行っていれば、必然的にpipsを意識した損切りをするように変わります。

 


・チャートがこういう形の時は跳ね返りやすい

・○○後のレンジ抜けは伸びやすい

・膠着状態が続く形はこういう時だ etc…

 

上記のように、自分の中でチャート上に「見るべき基準」が出来てくると、金額で切ることよりもpipsで考える方が有益となるからです。

 

それでも初めの方は大きすぎる幅だったり、後で見たら「酷すぎる場所に設定したもんだな」と気づくことも多いですが、

 

この繰り返しが「適切なpips」で損切りする下積みとなります。

 

pipsベースで損切りする感覚が身についてくれば、徐々に自分が考えている手法を意識した損切りの仕方へと自然に移行することでしょう。

 

(4)自分の手法にあった「リスク幅」を使う

 

例えばスキャルピングで夜トレードする場合、損切りが50~100pipsも必要かといえば違うと思うし、逆にスイングで5pipsの幅だと波に乗れるもんも乗れません。

 

しかし、これが先ほどの「pips」をベースに損切りを色々考えていれば、

 

明らかに「不必要なpips」を削ることが出来ます

 

つまりこの段階にまでくれば、損切りすることを前提とした「自分が逃げる適切な箇所」を探すことに意味が変わってくるんです。

 

それは言い換えると、最悪のリスクを考慮した上でトレードしてる事に繋がります。

 

もちろん個人の手法によって「適切な損切り幅」は違ってきますが、

 

手法を研究・分析すればするほど、損切りがどんどん「職人的な技術」のように洗練されてくるのも事実です。

 

ここまで到達すれば、当初懸念事項だった「損切りしない・出来ない」といった悩みは、100%に近い確率で脳内から消滅しているでしょう。

 

あとはひたすら、損切りの技術を磨き上げていくだけの「維持・向上」を行っていくだけです。

 

(5)【応用】チャート状況に合わせて変化させる

 

損切り幅を常に一定としたやり方もトレード方法の1つですが、常に安定した動きをチャートが繰り返す相場でない時は、

 


・切られてから伸びる

・指値に届かず伸びていった

 

新規エントリーでこういったケースも度々訪れます。

 

それがあまりにアンラッキーな切られ方・指値に届かずであれば仕方ないものの、

 

状況に応じて損切り幅を柔軟に変えることが出来れば、上記事態を引き起こす可能性を減らすことは可能です。

 

例えば、普段損切りを20pips固定でしている場合、どうしても直近レートをカバーしたいけどpipsが増えてしまう。

 

その必要pipsが40pipsとか倍に近くなる際は、エントリー自体を見送る方が堅実でしょうけど、21~30pipsぐらいの値であれば「許容値」として考える方がいい。

 

何故なら、それで将来的に失う「機会損失」の方が絶対大きくなるからです。

 

でも大きくなる損切り幅に嫌悪感が残ってしまう場合は、

 

数量(枚数)を微調整して「20pips固定で失うであろう金額」に合わせて発注するのが堅実。

 

例えば、いつも1万通貨20pipsで発注している場合だと、損切り25pips必要なら「10,000→8000通貨」へ落とすような方法です。

 

この方法だと、最終的な利益は2~3割どうしても落ちるものの、機会損失を出来る限り防ぐことにも繋がるため、

 

損切りで必要となるpips × 金額ベースの考え方

 

当初はこれらを段階別に行ってきましたが、最終的に複合させることで「柔軟な損切り」を可能とします。

 

損切りは出来ない人からすれば非常にやっかいな技術・手段ですが、

 

一度身につけてしまえば、相場で生き残る確率を飛躍的に高めるスキルとなります。

 

この先10年20年とFXで凌いでいく前提なら、損切りは今後あなたを支えるパートナー的な存在になるでしょう。

 

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FXで損切りしないと「トレーダー」として生き残れない

 

 

以上が、FXで損切りしない事に関する見解となります。

 

FX自体は1998年に解禁された段階で「FX=ギャンブル」という認識は全くありませんでした。

 

むしろ、2000年前半から2007年まで続いた「いざなみ景気」の影響もあって、FXは為替差益・スワップ金利の双方で儲かるとテレビで引っ張りだこでした。

 

好景気だった時のFXに対する印象


・FXは株よりも儲かる投資

・レバレッジ効かせて短期間で100万

・スワップ金利で不労所得etc…

 

この時はひたすらロングで上昇していたので、「損切りをしない手法」でも通用した訳です。

 

ただ2007年以降はサブプライムローン問題から派生した不景気によって暴落し、そこからFXに対する風当たりが突然と強くなりました。

 

暴落した後のFXに対する印象


・FXなんてギャンブルだ!

・レバレッジなんて怖くてムリ

・絶対に儲からないから止めとけ etc…

 

10年経っただけで圧倒的に印象が変わるのも凄いですが、

 

結局は「何となく・とりあえず」FXをしてた方が、相場の一時的な流れで「運良く勝てた」に過ぎないんです。

 

損切りしないでレバレッジをかけ続け、ひたすら我慢して保有し続ける。損を膨らませて爆発した人達が「ギャンブル・博打」と言い立てているだけ。

 

しかし、その方々のトレード方法に問題があるのは蔑ろにされ、逆に悪いイメージだけが一人歩きしていきました。

 

これは見方を変えれば、

 

「確立された優位性がなければ勝てない」

 

このような意味に置き換えることができます。

 

過去の歴史や経験から学ぼう

 

FXは株や先物といった投資と本質的に何の違いもありませんが、投資は自身の資産へそれなりのリスクを掛けて勝負するもの。

 

損切りしないで勝てると浮かれていた時代があっても、最終的には皆さんが知っているような結末を迎えています。

 

ということは、最悪のパターンになってしまった方々の手法を研究・分析すれば、大負けするといった二の舞を繰り返す可能性は著しく減ります。

 

しかし、人間は過去の過ちから学習する事を、何故か投資に限っては全く実践しません。

 

過去にも暴落した歴史が幾度もあり、そういった大衆の経験から生み出された言葉が「怖い・ギャンブル・負ける」といったマイナスワードなんです。

 

FXがギャンブルと言われても全然構いませんけど、

 


・ギャンブルや博打といった偶発性の強い投資にしてるのは自分

・損切りしないで利益追求だけをした結果が大損であること

・そういった人々が投資のイメージを悪くしていること

 

この3点を理解すれば、FXがギャンブルだと勝手なイメージがついた事にご納得いただけるでしょう。

 

損切りは自分の資産が減った事実を認める辛い告知ですが、

 

日々のロスカットが長期的に生き残る事を可能にしている

 

この事実にも目を向けていただければと思います。

 

今回の記事が、少しでも多くの読者へ参考となれば幸いです。

 


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ABOUTこの記事をかいた人

30代前半の現役FXトレーダーで、自身が運営する個別FXスクールの講師。これからFXを本格的に始める方々へ、正しい勉強を教えてくれる場所を見つけるガイドラインのようなブログになればと思い、このFXブログを書き始めました。