おはこんにちばんは、レギオンです。
以前の記事で、FXに関する期待値の認識を多くの人が「数式感覚かつ簡単に捉えすぎ」って内容を書きました。
手法の期待値を簡単に上げれると思ったり、勝率やらリスクリワードレシオを調整すれば誰でも作れるやんって事は「99%あり得ません」っていう重い現実の話です。
リスクリワードレシオや期待値について「??」が出てしまう方は、先に以前の記事を見ていただくと噛み砕きやすいかと思います。
以前の記事はこちら
FXの期待値は教科書通りの方法だと「99%」上がらない【トレーダーの大部分が間違ってる】
期待値という言葉については、カジノ・パチンコといった一般的にギャンブルへ区分されるものに使われる事が多いですが、FXにも十分応用することが出来ます。
ただ、FXは経済における相場変動や自分の手法・それに基づいてランダムなチャートを裁量的に判断したりと、
数学的な計算するには「あまりに不確定要素が多い」ため、それすら包括的に扱っていく必要があります。
となれば、必然的にチャートを分析するため必要な時間が膨大になるのは自明の理ですが、
どれだけ長い年月を費やすとしても、そこから得られる知識・経験を駆使して構築される手法には、間違いなく大きな期待値が付与されています。
タイトルに書いてある「3年」という数字は大袈裟では全くありません。それぐらい時間を費やしたとしても「価値ある投資だった」と思ってほしいのです。
今回の記事では下記3点を中心に書かせていただきます。
・包括的(広義の)期待値のある手法
・期待値を算出する上での注意点
・算出する方法についての概要
全ては長期的観点から見ても「強いトレーダー」として成長するために重要な作業となるため、期待値のある手法を最終的に「苦しくても価値ある方法」で算出する必要があるんだと知っていただければ幸いです。
Youtube
FXの正しい勉強方法に関する動画を重点的にUPしています。
目次
FXで期待値のある手法とは「トータル」で利益が出ればいい
よく期待値のある手法で調べると、下記条件をあらゆるブログ・動画で見つけることが出来ます。
・リスクリワードが「1~3以上」
・勝率が50%以上
確かに専業や安定して稼ぐトレーダーの手法を分析すれば当てはまるかもしれませんが、逆にリスクリワードが「1」を切ったり、勝率が「50%」未満しかない場合は期待値がない手法だと言えるのでしょうか?
そんな事はありません。勝率が40%でもリスクリワードが4あれば問題ないし、逆にリスクリワードが0.5でも勝率が70%以上あれば負けることはないのですから。
つまり、リスクリワードや勝率がアンバランスな関係だとしても、トレード成績が「月・四半期・年単位」等でトータルプラスになればいいんです。
FXに「答え」という画一された概念は存在しないため、とにかく長期的に稼げれば何でもOK。それがどれだけ他者から見て意味不明なやり方だとしても。
例えば、統計を数年分とった上で算出した期待値が毎月平均して「100pips」獲得できる場合、リアルトレードでも淡々と統計をとった時の手法・ルールを繰り返せば、高い確率でプラスの期待値を維持することが出来ます。
Ex.期待値が「月単位で100pipsある手法」の実践結果
1月 150pips
2月 80pips
3月 250pips
4月 ー30pips
5月 50pips etc…
注意点は、月単位での期待値がプラスだからといって「毎月プラス」で終わるとは限らないってことです。あくまでも期待値であって、毎月の収支保証をするものじゃありません。ただ、トータル収支は長い目で見ると少しづつ期待値に沿って必ず収束します。
このように、毎月・毎年といった長い節目でプラスを維持出来る期待値がしっかりあれば、模範的な手法の枠組みに囚われる必要はありません。
【個人的考え】トレードで毎回見るチャートも期待値計算に入れたい
FXは常に安定した相場状況を提供してはくれません。時には一方通行のように伸びていく時もあれば、1週間以上もひたすらレンジ状態に陥ることもある。
受験・資格試験のように決められた範囲内から問題が出るわけではありません。国語と言っておきながら問題用紙を見ると「物理・科学」の問題だらけといった事はFXだと日常茶飯事なのです。
そういった無差別的な状況下で、自分の手法が高確率で機能するであろうチャートにだけ絞り、ルールに則ってトレードする必要があります。
ランダムに動くチャートパターンから「期待値」を高確率で抽出するのは極めて難しい
要するに、自分の手法でトレードが困難なチャートを「ノートレード」と客観的かつ冷静に判断するのも、正当な期待値を積む作業だと考えるってことです。
細かい話をすると、FXの1月が20営業日だと仮定し「月単位の期待値100pips」のトレードを行う場合、結果的に当日が下記のようなケースになったとしても「月単位の期待値100pips÷20営業日=5pips」を毎日積み上げる計算となります。
・結果的に損切り
・全体的な動きが不明でノートレード
・指値が約定せず波に乗れず
・利食いが対して出来なかった etc…
これらが完全ルール無視や誤った判断の下で生じた結果であればダメですが、
期待値とは後述する統計取りで「そういった事態」を全て含んだ上で算出される数値です。
だから個人的には、「一日単位の判断」が長期的な期待値を維持するために必要な要素だと考えているため、細かく考えるのであれば「1日単位の期待値」を出す方がチャート判断にも有益かと思う。
この考えだと、ノートレード・損切りといった「一般的にはマイナス要素的な結果」も期待値を積む「プラスの結果」となるからです。
あまり上記のように考えるトレーダーは少ないと思いますが、トレードを仕事のように淡々とルーティン上でこなすためには、例え結果が芳しくなかったとしても
「今日もルール通りよく頑張った」
こんな感じに、気持ちもプラスに変えていく考え方が日常的に必要だと思います。
【補足】身近なパチンコも統計に基づいた「期待値」があります
一般的には娯楽又はギャンブルに区分されるパチンコですが、打ったことない方からすると「遊びつつお金が減るゲーム」という認識が強いと思う。
しかし、ラスベガスにプロのポーカープレイヤーがいるように、パチンコにもそれで飯を食っている「パチプロ」も日本中に存在しています。
彼らは統計的*1に裏付けされた「回転数のいい台*2」だけを打ち続けることで、毎日の期待値を積み上げているのです。
*1統計自体は多くのパチンコ関連のサイト・業者が「実際に計測した膨大なデータ」を使用するため、専門のサイトを見ればすぐに見つかる。
*2下画像真ん中(赤○)のヘソと呼ばれる場所に玉が入ると毎回抽選が行われる(台のスペックによって確率が細かく違う)
確率が1/99の台であればヘソに入る度「1/99」の抽選が行われ、当選すれば大当たりとなる。理論上は1/99だが、1回で当たるケースもあれば200回でも当たらないこともある。
下記画像は「CRスーパー海物語SAE5」という台の期待値ですが、トータルでチャラになる回転数が「17~19回転」の間で、大きなプラスを求めるのであれば「1000円で22~24回転以上」の台を見つける必要があります。
つまり、上記データを基にして期待値のある台を見つける事が出来れば、勝率を適当に打つより遙かに伸ばすことが可能となります。
もちろん1日単位だと下振れして負けることもあるでしょうが、それでも月単位・年単位だと「期待値のある台のみ」を打てばトータルで稼ぎは収束していくのです。
FXで「期待値のある手法」を作る上での注意点【最終的に統計取り】
FXで期待値ある手法を構築するため、本格的に勉強を始めることは非常に喜ばしいですが、正しい勉強方法で進まないと期待値どころの話じゃ無くなってしまいます。
以前のブログ記事で「期待値」を構築していくまでの理想的な流れ(下記参照)を最後に書きましたが、これに沿った上での注意点をご紹介します。
1.過去チャートを修行僧のように籠もって研究する(最低でも1000~2000枚以上)
2.特に何も期待値などを意識せず、「1」の後にデモでエントリーから損切り・利食いを徹底的に分析・改善を繰り返す
3.何やかんや苦労してFXに取り組んだ結果、月単位でプラスpipsになってきた
4.「2→3」をひたすらループする
5.「4」を徹底した結果、手法に優位性があると「確信に近い段階」までこぎ着ける
6.過去チャートで本格的な統計取りを行う
【最低限の前提】チャートを客観的に見れる「自力」が必要
これは何回もネチネチと所々で書いてますが、根本的な相場を見る力がトレーダーには必須となります。この力はチャートを少し分析した程度で身につく事はなく、継続的な勉強を行う事で蓄積されていきます。
もちろん、適当な勉強方法だとあさっての方向へ向かうハメとなり、半年・1年経っても成長してない結果になる可能性もあるため、
必ず純粋なチャートを、テクニカルも一切使わず研究しましょう。
もし勉強方法が全く分からない!何をすればいいか路頭に迷う場合は、誰かのFXブログや動画を参考にするのもいいですし、コメントやライブ動画などで直接アドバイスを求めたりするのも1つの方法です。
それだけ初期段階でチャートを見まくるのは「期待値を積むために必要な勉強」と言えるでしょう。手法を頑張って作ろうとするあまり、慌てて勝率を重視したりテクニカル分析に依存する人もいますが、
まずはトータルプラスへ持っていく為に必要な「優位性」を過去チャートから学ぶべきです。
チャート分析もまともに出来ない人が、勝率・リスクリワードと計画を立ててもただの皮算用に過ぎませんし、それだとトレードスキル自体が全く身につきません。
厳しい言い方になりますが、これこそ「FXの現状」だとご理解ください。
「期待値のあるチャートだけ」をトレードできる現実的な手法か?
例えばポーカーは自分の手札・場に出るパターンによって「総合的な期待値」を数学で出せますし、パチンコも台の釘状況を「どれだけ玉がヘソ(スタート)まで到達しそうか」を傾きや多少の試し打ちで、プロはその日に得られる適切な期待値を見極めます。
これがFXだと、トランプの枚数が次の日100枚になったりパチンコ台の釘数が1.5倍になったりと、そもそもの前提条件すら変えてしまうポイントがトレードをより難しくしています。
その中で我々は、自分のライフスタイルを考慮しつつも「稼げる優位性の強い手法」を構築しなければダメですが、
それがあまりに「現実離れし過ぎる」と、話は期待値どころではなくなります。
極端な例でいうと、毎回レンジ抜けで伸びるパターンをひたすら狙っていく手法だったり、仕事でチャートが全く見れない時間帯にトレード手法を構築したり。
レンジ抜けといっても、様々なチャート状況を加味した上で絞らないと「騙し」でことごとく損切られるし、仕事中に期待値あるチャートか否かの判別をチャートが監視出来ない状況で行うのは至難の業です。
要するに、これらはトレードスキルをどれだけ向上させたとしても、拾えるような範疇にない期待値を実践上で追いかける事になる。
そして過去チャートで後述する統計取りが上手くいったとしても、
・現実的にトレード可能なチャートを見極める事ができる手法なのか?
これがなければ、結局は統計が上手くいったのに何故か稼げない「実践だと期待値が薄い手法」が完成するハメとなります。逆を言えば「都合のいいチャートパターンだけ何故か上手く稼げる手法」になってないかです。
自分にとって理想的な数値を叩き出す手法を目指すことは何も問題ありませんが、下記のような期待値もどきケースは特に注意してください。
・あまりに都合のいい場所で獲れる
(過去チャート上で)
・現実的に難しい状況下でも期待値がある
(ライフスタイル)
・実践上でチャートの見極めが厳しい手法
(後で見たら選別して獲れる)
せっかくチャートをどれだけ頑張って見たとしても、使い方を間違えば「夢のまた夢の手法」の完成です。
そうならない為にも「現実」を意識した上で手法を構築し、かつ「現実的に守れるルール」を併せて考えるべきだと思う。
FXで「期待値のある手法」を適正に算出するには「統計取り」が不可欠
以上が「FXで期待値のある手法」に関する内容となります。
そもそも利益を出すためにトレードをすぐ始めるのではなく、事前にアホみたいな枚数の過去チャートを見なければダメなので、一見すると遠回りに見えるかもしれませんが、
地道にチャートを積み重ねるやり方が「最終的」には一番早いです。
そしてデモへ取り組む中で、エントリーから損切り・利食いに至るまでの「失敗→反省」を何度も繰り返し、ようやく自分の中で堅固なルールが出来上がり、デモトレードも月単位でプラスになる月が増えてくる。
そこまで到達するのに「約2~3年ぐらい」費やしたとしても、全く遅いなんて事はありません。
後はそれを膨大な数の過去チャートで統計を取り、月・四半期・年単位等で「プラスの期待値があること」を証明するだけなのですから。
統計自体は飛ばすことも確かにできますが、数字で詳細に視覚化する事は今後の改善作業で重宝しますし、
何よりも、自分の手法が相場で稼げる可能性が非常に高い
これを何となくでなく、キッチリと目に見える形で表すことが統計取りを通じて「大きな自信」となるのです。次回は期待値を算出するための「統計」に関して、詳しく書いていきます。
今回の記事が、少しでも多くの読者へ参考になれば幸いです。
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